展示案内 2009年

亀井友緒展(2009/07/30-09/09/27)

開催期間 2009年07月30日(木)〜2009年9月27日(日)

私は作品を創る上で大切にしているテーマがあります。私が誕生して、今まで過ごし、感じてきた数々の記憶。それは太陽のぬくもり、人の声、その土地の匂いや湿度、緑の豊かさ、四風邪の心地よさ、暖かい手の温もり、私と一緒に歩いてくれた人への感謝の気持ち。自分の中にあった記憶、それらを基に色や形に織りまぜて絵にするということ。それは歩く調子、呼吸すること、身近に触れ合うこと、影響され、影響すること、愛すること、くつろぐこと、空想にふけること、育てること、発見すること、ただ時間を空っぽ(自然)に過ごすこと。形に見えない想いや記憶をもっと、表現したいという欲求から私は作品を生み出していくのだと考えています。

私の制作スタイルの土台は、2001年の八重山諸島への旅から、2002年のないてるほし個展までの間に、少しずつ確実につくられてきました。八重山諸島での旅は、何もない地点から自分をリセットし、制作することから始まりました。そこでは様々な出来事や新しい人との繋がりをもち、自然と密接な関わりを持った制作期間を頂きました。時間が経っても風化することなくいつまでも記憶として残したいもの、忘れてはいけない大切なものがそこにはありました。そして2002年ないてるほし個展に向けて、その想いが新鮮なうちに、出来るだけ集中して記憶し、絵に還していく。そんな思いの中で作品を作り続けてきました。2003〜2009年の間に、少しずつ題材は変わってきつつも、土台となる制作スタイルは変わらずに数々の作品を創らせて頂きました。

今回の展示作品は、2001〜2009年までのドローイング、油彩、絵画作品の数々です。互いに時間が交錯しながら進行する懐古的な展覧会になると思います。その時の今が、見に来て下さった方々の記憶にのこるとしたら、作品も皆様との様々な出会いによって、変化し影響しあうのだと思います。是非ご覧くださいませ。

Profile
亀井 友緒  Kamei Tomoo
1979 東京に生まれる
2005 東京芸術大学油画科卒業
2007 東京芸術大学油画科第4研究科卒業